【パパ書評】諸富祥彦著『カウンセラー・パパの子育て論』
大学の教育学部で教鞭をとりながら、育児カウンセラーとしても活躍する著者が、プロとして、また2歳の娘を持つ一介のパパとして綴った教育論。
冒頭で注目するのが、著者は長いことこの業界に携わりながら、子供を持つのが怖かったと正直に告白している点だ。何が著者の心を変えたかは記述されていないが、30代の油の乗っている仕事優先のダメパパとして自分自身を書いている。
全体的な内容は「上手なしかり方」や「育児ストレスに悩む母親」「反抗期の子供との対話」など育児全般におよび、枚数制限からそれほどつっこんだ話は展開されないのだが、ところどころ目を引く記述が登場する。なかでも「キレル母親」と「自己決定の重要性」に関する節はかなり面白い。
児童虐待として報告されないレベルの体罰などを加えている母親の多くがいわゆる「ヤンママ」と正直に書いちゃってる。思わず笑ってしまったが、著者は変な批難など浴びてないだろうか?
また、自己決定の重要さと、興味をもったこと、一度はじめたことを完遂させることの重要性を、著者のエピソードを含めながら殊更強調している。でもこれってよーく見てみると、モンテッソーリ教育とまったく同じことを言っている。もしかしたら著者はモンテッソーリの名をあえて隠して書いたか、それでなければ独自に同じ結論に辿り着いたかのどちらかだろう。もし後者であるなら興味深い。
内容が断片的なのは実はこの本が専門誌のいちコーナーをまとめた本なのだが、構成を練った書き下ろしの本が読みたくなる205ページ。
ランク:★★★☆☆
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